今やエリアマーケティングといってもDM・ポスティング・新聞オリコミ・
フリーペーパーなど様々な方法があり、どの方法が自社に適しているのか、
より費用を抑えて集客できる手法はどれなのかなど悩みはつきものですよね。
たとえば、新聞オリコミをとってみると、エリアを指定でき見込み客に
アピールできるメリットはあるものの、新聞オリコミを実施できる部数が年々減少しているため、
他の媒体と組み合わせをしなければならないという課題があります。
フリーペーパーへの折込チラシや店内でチラシを配布してもらうなどで
新聞未購読者にリーチすることも可能ですが、今回、おすすめしたいのが「ジオマーケティング」です。
ここでは、ジオマーケティングとはどのような手法なのか、やり方や活用事例を通してご紹介します。
今そこにいる見込み客へピンスポットで集客をしたい場合や、
過去の行動履歴をもとに指定エリアの居住者に
ピンポイントで集客を行う場合には非常に有効な施策の1つです。
ジオマーケティングとは?
ジオマーケティングとは、狭義で言うと、パソコンやスマートフォンに搭載されている
位置情報機能(GPSやWi-Fi、基地局)等から収集できる過去訪問履歴情
報もしくはユーザーの現在地情報を活用して集客するマーケティング手法のことになります。
たとえば、今スーパーの近辺にいる方への広告配信や、
過去スタジアムで試合を観戦していた人に対して広告を配信することになります。
ジオマーケティングは、「今ここにいる人」をリアルタイムで配信する、
また「過去そこにいた人へ配信する」ことができ、
Web広告を利用して店舗へ直接集客したい場合に重宝します。
また、過去訪問履歴からのリアル行動を分析して
ターゲット像をあぶり出して広告を展開することもできます。
育児ママ向け商品のプロモーションを展開する際に、
幼稚園・保育園の送迎をする保護者にもダイレクトにアプローチすることができます。
ジオマーケティングのメリット
ジオマーケティングのメリットは、スマホの位置情報を活用して、
現在ここにいる人や過去その場所にいた人に向けて訴求できるため、
非常に詳細なセグメントでエリアマーケティングを展開することができることです。
さらに、訪問先の過去情報を活用すれば、
たとえば、フィットネスクラブのクライアント様が、
競合のフィットネスクラブを利用している方に広告でアプローチすることができます。
ジオマーケティングのデメリット
ユーザーの行動履歴や、現在地をもとに効率の良いエリアマーケティングが
実施できるジオマーケティングですが、デメリットも存在します。
それは、配信設定を絞り込みすぎるとほとんど広告が配信されないということです。
たとえば、店舗周辺300m圏内にWeb広告を配信したいなどという条件が考えられます。
そのため、ここに注意して配信設定を絞りすぎないようにしましょう。
このように、配信設定を絞りすぎないという点に気をつけなくてはいけませんが、
ジオターゲティングには非常に多くのメリットがありました。
どのエリアに配信するのか、どのようなユーザーをターゲットにしているのか、
目的と目的に合わせた広告配信を行いましょう。
ジオマーケティングの使い方
ここでは、ジオマーケティングでより効果的な集客を行うためには、
どのような使い方をすれば良いのか、その使い方の例をご紹介します。
訪問履歴情報から行動履歴を考えターゲット像を推定する
ジオマーケティングは、冒頭でもお伝えしましたが、
見込み客の行動履歴に着目した使い方ができます。
たとえば、過去にバッティングセンターやスタジアム、
スポーツ用品店を利用した人という過去の行動を把握でき、
その行動履歴から「野球が趣味の人」と推察してターゲティングすることができます。
リアルタイム配信についてはその出来事を考えて配信する
ジオマーケティングの最大の使い方は、
その時その場所にいる人へ向けてWeb広告を配信できることです。
たとえば、地元密着型のスーパーが特売日のお知らせを配信するとします。
この場合、特売日前に新聞オリコミ等でチラシを配布し、集客することが多いです。
ただ、新聞購読者以外の見込み客には届かない施策になります。
そのような従来のエリアマーケティングでは
集客しにくいターゲットに向けてジオマーケティングを活用すれば、
今スーパー周辺に住まわれている方、そこに居る方に対して広告を配信することができます。
つまり、従来の新聞オリコミを補完する形でジオターゲティング広告を展開することができます。
流入経路分析と広告配信の変更
ジオマーケティングの使い方としては、
リアルタイムで広告配信を行うという手法だけではありません。
今ここにいる人や過去その場所にいた人の行動履歴を把握することで、
見込み客がどのような行動をとり、
Web広告を通じ何人が実店舗へ来訪したかも把握できるようになりました。
従来のチラシやポスティングなどでは、チラシ経由で何人が実店舗へ来訪したかまでは、
正確な数値をつかみにくい性質がありました。
しかし、ジオマーケティングを導入すれば広告を配信した人の流入経路がつかめるため、
効果測定にも役に立ちますし、効果をスピーディーに検証し、
広告の変更を実施するなどPDCAサイクルを迅速に回すことが可能です。
これまでのエリアマーケティングでは
対応できなかった効果測定もジオマーケティングで実現できます。
ジオマーケティングの活用事例
ここでは、ジオマーケティングの活用事例についてもお届けします。
株式会社オプトによるFrancfranc来店プロモーション
最初の事例の対象となるのは、インテリアや雑貨を販売しているFrancfrancに対して、
デジタルマーケティング大手の株式会社オプトの事例を参考にしたものです。
これによると、位置情報を活用したジオターゲティングによる
来店プロモーションが本当に有効かどうか、
広告バナーとダミーバナーを用意し検証を行いました。
広告効果を検証することが目的で行われた施策ですが、
結果としてはダミーバナーに触れた人の来店を「100」とし、
常の広告バナーに触れた人を計測すると、来店は「162」と62%のリフトアップに成功したのです。
この効果検証から、位置情報を利用した広告バナーは来店促進に大きな意味をもたらしました。
参考:有店舗事業者のデジタル化と来店プロモーション最前線|Exchange Wire
https://www.exchangewire.jp/2019/03/19/wirecolumn-opt-4-location-data/
カナダのビールブランド「モルソン・クアーズ」の実例
カナダ第2位のビールブランドというポジショニングの「モルソン・クアーズ」。
モルソン・クアーズでは、
15分間でカナダ8都市の気候や気温をチェックするAPIを使用しています。
では、どのようにジオマーケティングを行っているかというと、天候や晴れ、
気温(23度以上)になった場合にだけ、
気象条件に左右されやすいユーザーに広告を配信しました。
配信内容は、「暑い夏だね、サイダーを」という非常にわかりやすいものですが、
天候による予測を利用していない広告と比較すると、
複数のカテゴリーでエンゲージメント率が上昇したそう。
また、この広告についてFacebookユーザーの場合には、
天候を利用した広告の場合には、一般的な広告と比較をしても93%も、
友人にシェアする傾向が増えたそうです。
このように、ジオターゲティングをうまく気象条件でセグメントし、
集客効果を高めている事例も存在します。
まとめ
ジオマーケティングを活用して、今そこにいる人に対してリアルタイムで
広告配信することによりエリアマーケティングを強化することができます。
また、行動履歴からターゲット像を分析することにより、
御社が求める顧客にマッチする方を効率よく集客ができます。
既存の媒体が疲弊していると感じたら、
ジオマーケティングをご検討するのはいかがでございますでしょうか。