<はじめに>
マーケティング用語で使われている「CPA(Cost Per Acquisition/Cost Per Action)」
一言で表現すると、「成果単価」と言われており、
コンバージョン1件あたりにかかった広告費用のことを指します。
一見、CPAが低い=1件あたりの広告費用を最小限に抑えているということがいえますが、
実は単にCPAが低ければ良いのではなく、
費用対効果を追求するためには、さらに深く課題を検証する必要があります。
ここでは、CPAについて広告指標としての意味や、計算方法、さらにCPOなどの関連性を紐解き、
どのような考え方をすれば、広告費における費用対効果を高めることができるのかをお届けします。
CPA(CPR)とは
冒頭でもご説明した通り、
CPAとは「Cost Per Acquisition」や「Cost Per Action」の頭文字をとった略称です。
場合によっては、CPR=Cost per Responseと言うこともあります。
基本的には同様の意味と捉えて問題ありません。
「成果単価」を意味するとお伝えしましたが、
詳しくはコンバージョン(成果)1件あたりにかかった広告費用のこと。
CPAは、サービスや商品のお試しサンプルの購入、会員登録等を顧客がお試し購入・利用をして、
最終的に利益につながるかどうかを図る中間指標になります。
そのため、マーケティングにおける広告指標はいくつも存在しますが、
その中でも重要度の高い指標のひとつが「CPA」と言えるでしょう。
補足になりますが、コンバージョンつまり成果をどの段階で定めるかは企業によって全く異なります。
たとえば、顧客が商品をお試し購入した段階でコンバージョンとする企業もあれば、
メールマガジンや資料請求フォームより資料請求を行った段階でコンバージョンとするケースもあります。
CPAの計算方法
「CPA(Cost Per Acquisition/Cost Per Action)」は、
コンバージョン1件あたりの広告費用のことですが、ではどのような計算をしたら良いのでしょうか。
ここでは、CPAの計算方法についてご紹介させて頂きます。
CPAの計算方法については以下の通りです。
<CPA計算式> 広告費用÷コンバージョン数= CPA |
たとえば、広告費に50万円を投じて、実際に20人の顧客から商品の注文があったとしましょう。
すると50万円(広告費用)÷20人(コンバージョン数)=25,000円(1件あたりの広告費)となります。
このように、CPAはシンプルな計算式で求めることが可能。
CPAから広告予算を設定する具体例
低CPAを維持しながら見込み顧客の獲得件数を大幅に増やそうとしても上手くいかないことが多いです。
そのため、どのようにCPAを決定すれば良いのでしょうか。その具体例をみていきましょう。
<目標CPAの算出方法>
目標CPAの算出方法で重要なことは、「広告予算を先に決定しない」ということです。
「広告予算は〇〇円でお願いしたい」と予算を先に話されるケースがありますが、
ダイレクトマーケティングの場合、
コンバージョンさせたい顧客層とその件数によって広告予算を決めた方がよい場合が多いです。
たとえば、高級ブランドのアクセサリーをマーケティングする場合の具体例をみていきましょう。
この場合の特徴は、以下の通りです。
・扱う商品の特性上、リピート率は10%以下である場合が多い ・見方を変えると、獲得単価は高い |
高級ブランドという特性を踏まえると、目標CPAは次のように求められます。
目標CPA=平均顧客単価−平均原価 例:40,000円=70,000円-30,000円 |
リピート率が低い分、平均顧客単価から平均の購入額を算出し、平均原価を割り出します。
平均原価だけでなく、人件費や固定費なども加えて目標CPAを設定することも可能です。
今回の具体例は、あくまで高級ブランドを対象とした目標CPAの算出式ですが、
広告予算はまず目標CPAを決定するところからスタートしましょう。
仮に目標CPAを先に決定しておけば、以下の計算式に当てはめるだけで、
対象商品、サービスごとのコンバージョン数を割り出し、広告費用を決定できます。
<広告費用の計算式> 2,000,000円(広告費用)=40,000円(目標CPA)×50件(目標CV数) |
アプローチしたい層が「今すぐ客」「見込み顧客」「潜在顧客」によってCPAが大きく変わります。
アプローチしたい層によって目標CPAが変動します。
アプローチする顧客層ごとの目標CPAについて参考例をご紹介します。
参考例:リスマガ【WEB集客の教科書】
https://ppc-master.jp/labo/2018/09/increasing_cv.html#cpa
上記の図はアプローチする顧客層ごとの目標CPAを示したものです。
これを参考にすると、主に「今すぐ客」、「見込み客」、「潜在顧客」の
3種類の顧客層が存在することが理解できます。
まず、階層上位の「今すぐ客」ですが、こちらは自分の悩みや問題点を認識しており、
今すぐ問題を解決したいとニーズが顕在化している「購買意欲が高い層」といえます。
つまり、目標CPAに関しても、多額の広告費を割かなくても、
ピンポイントにターゲティングし訴求できれば、費用対効果を高めることができます。
その反面、階層最下位の「潜在顧客」については、現在商品を必要としていないため、
レスポンス率が悪くなり、目標CPAも悪くなります。
言い換えれば、潜在顧客を獲得するには、CPAが高くなり、
「CPAをそのままに、CVを上げる」が事実上不可能であることが理解できるはず。
このように、目標CPAはアプローチする層や、
マーケティングする商品によって異なると理解しましょう。
ポイント ・ターゲット層に合わせて、目標CPAは変動する。 ・ターゲット層が変われば目標CPAの再設定が必要 |
CPAとCPOとの関係性(補足説明)
CPAが、コンバージョン1件あたりにかかった広告費用のことですが、
CPOについては、「Cost Per Order」の略称で、
1件あたりの注文を獲得するためにかかった費用のことです。
よくCPAとの違いや関係性で、混同されることが多いですが、
CPOはあくまでも広告費における注文数から算出される広告指標です。
低いCPAを意識すぎると、CV件数が下がる悪循環に陥ります
これまでも、CPAについてはアプローチする層や対象となる商品によって変動するとご紹介しました。
つまり、低いCPAを意識しすぎると、狙うターゲット層が狭くなるため、
適切なターゲット層に訴求できないため、CV件数が下がってしまうという悪循環に陥ります。
これを避けるためには、目標CPAを適切に設定して、そこに見合うまでターゲット層を拡げるべきです。
ですから、目標CPAと目標獲得件数を先に決定し、それに応じて広告予算を当てることが重要となります。
低いCPAを実現するためにオファー・特典が良すぎるとCPOが悪化します。
また、低いCPAを実現しようと、オファーや特典に力を入れる企業も見受けられますが、
この場合CPOとのバランスが重要で、特典等が良すぎると、注文に結びつかない場合もあります。
例えば、10万円の商品を無料で配るという特典です。
10万円の商品をただでもらった方が、同じ商品を購入する可能性は極めて低いと考えられます。
そのため、引き上げ率に注意を払いながら適切なオファー・特典を見極めていくことが重要となります。
そのため、タイトルにもありますが、CPAが低ければ良いというわけではありません。
最終的にはCPOが非常に大切になります。
まとめ
CPAは、コンバージョン1件あたりの広告単価ですが、
見方を誤るとCPAが低いことが理想と勘違いをしがちです。
最終的なCPO・LTV(=ライフタイムバリュー)をベースに
マーケティング施策を実施していくことが重要となります。