『TrueViewアクション広告』は、You Tube広告の中でも「見込み客の獲得」、WEBサイトや
LPなどへの「画面遷移」といったユーザーのアクションを獲得することに特化している広告メニューです。
現在、You Tubeは国内に6200万人以上(※1)のユーザーを抱えており、
様々なユーザーへの接触や情報の拡散が期待できるプラットフォームです。
これらのユーザーへアクションを促すことで、商品やサービスの利用(購入,登録など)へ繋げることができます。
ここでは、『TrueViewアクション広告』のメリットや
入札戦略を賢く使うコツ、設定方法などについて解説させて頂きます。
※1 『ユーチューブ、日本で10年 ネット人口の8割が視聴』日本経済新聞より
TrueViewアクションとは
TrueViewアクション広告とは、インストリーム広告と同じ表示のされ方をするが、
行動を促すフレーズと見出しをオーバレイで表示し、「目標CPA単価」もしくは
「コンバージョン数の最大化」の入札戦略を活用し見込み顧客の獲得などを目的として
利用されるYouTube動画広告の広告メニューのひとつです。
『TrueViewアクション広告』では以下のように、見出し、
行動を促すフレーズをオーバ-レイで表示させるため、より多くのコンバージョンの獲得が期待できます。
また、『TrueViewアクション広告』では、Googleによる過去のデータや機械学習を基に
最適と判断された広告配信が行われるため、効率的なコンバージョンの獲得を期待できます。
TrueViewアクションの入札戦略
『TrueViewアクション広告』はコンバージョンの獲得が最大の目的のため、
その入札方式は『コンバージョン数の最大化』と『目標コンバージョン単価』の2つから設定できます。
はじめに、それぞれの入札方式の特徴から解説させて頂きます。
コンバージョン数の最大化
『コンバージョン数の最大化』は、キャンペーンで設定している予算のなかで
コンバージョン数を最大化するための機械学習を通じて最適化が行われる入札方式です。
キャンペーンの日予算の設定を除いた全ての設定がGoogleにより調整されます。
目標コンバージョン単価
『目標コンバージョン単価』は、予めコンバージョン1件に対する目標CPAを設定し、
その予算の範囲内で収まるようにグーグルが広告予算を考慮しつつ、広告が配信されます。
TrueViewアクション広告における入札戦略の利用のコツ
入札戦略を利用する場合、コンバージョン数の最大化を最初に設定することをおすすめします。
コンバージョン単価の目標値に対して5~10倍の金額で1日あたりの広告費を設定します。
2週間くらいで安定して毎日5~6件のレスポンスが
取れるようになってきたら目標コンバージョン単価に移行します。
上手く件数が取れない場合もしくはCPCが高騰しすぎて上手くいかないことを懸念される場合は、
目標コンバージョン単価を設定して運用するか、もしくは通常のインストリーム広告を利用して
CPV(上限視聴単価)で運用してCVRをコントロールしながら最適なコンバージョン単価で
広告を運用できるようにするかのどちらかになります。週30件を切るようなキャンペーンの場合、
TrueViewアクション広告を利用しない方がいいかもしれません。
ホットユーザーだけにリーチできる『カスタムインデントオーディエンス』を利用して効果的にコンバージョンを獲得できます。
『TrueViewアクション広告』では、
グーグルでの検索キーワードの履歴に基づいてターゲティングができます。
具体的には、『カスタムインデントオーディエンス』では、商材/サービスに関連するキーワードを
設定することで、カスタムインテントオーディエンスとしてリスト化でき、
このリストをターゲティングとして利用することができます。
そのため、御社の商品・サービスのメリットなどからターゲットが
想起しそうな検索キーワードを指定して、動画広告で訴求できます。
つまり、今御社の商品・サービスを探しているユーザーに対して、
強力な広告フォーマットである動画広告で広告訴求ができるため、高いコンバージョンを期待できます。
たとえば、御社が宅建の資格制度の講座を提供している社会人学校の場合、
「宅建資格」などのキーワードで検索するユーザーに対して、動画広告を配信することができます。
その一方で、「キーワードが拡張される」「リスト単位でしか結果が抽出されない」
「除外指定ができない」といった懸念事項があることを把握しておく必要があります。
キーワードが拡張される
指定したキーワードは「部分一致」機能でのターゲティングであり、
リスティングのように完全一致などの指定ができないので、
以下のように類義語や関連語句も検出してしまうので検索項目の広がりを見越して指定する必要があります。
リスト単位しか結果が抽出されない
リスト単位でしか結果を確認できません。つまり、複数のキーワードをグルーピングして
1つのカスタムインデントオーディエンスを作成しても、
広告配信の結果はリスト単位でしか確認することができません。
ボリュームがすくないキーワードの場合、ある程度複数キーワードでリストを作ることになるので、
なるべく類似するキーワードでの作成をおすすめします。
除外指定ができない
カスタムインデントオーディエンスリストは、特定のターゲットの除外には活用できません。
あくまでも、ターゲットの指定のみに活用できます。
こちらの設定については、後述にて解説させて頂きます。
その他のYou Tubeアクション広告におけるターゲティング
『TrueViewアクション広告』のターゲティングはカスタムインテントオーディエンス以外にも
以下のようなターゲティングがコンバージョンの獲得のために利用されています。
アフィニティ
ユーザーの興味・関心(スポーツ、フード、ライフスタイルなど)からターゲティングができます。
購買移行の高いオーディエンス
購買意向が高いと判断されるカテゴリ(美容商品、不動産、旅行など)からターゲティングが可能です。
TrueViewアクション広告をはじめる前に
-『コンバージョントラッキング』を設定しておく
『コンバージョントラッキング』は、動画広告のから送客したユーザーが
遷移先のウェブサイトで「購入」「問い合わせ」「資料ダウンロード」といった
特定の行動につながったかを確認できる機能です。
『TrueViewアクション広告』は、動画広告またはエンゲージビューへのクリックから
コンバージョンを獲得する広告メニューです。
そのため、コンバージョントラッキングを使用しなければ、
グーグルのアルゴリズムに蓄積されるデータが制限され、最適な広告配信が行われなくなるケースがあります。
TrueViewアクションの設定手順
事前準備
『TrueViewアクション広告』で実際に広告を配信するためには、予め以下の4つを用意しておく必要があります。
・Googleアカウント
・広告素材:広告動画、コンパニオンバナーなど
・You Tubeチャンネルの開設
・広告動画のアップロード
これらの準備がまだ完了していない方は、
下記のサイトでその方法を解説させて頂いておりますので、ご参照ください。
広告の入稿/キャンペーンの作成について
それでは、『TrueViewアクション広告』の配信やその設定を行います。
はじめにグーグル広告のページから画面右上の「ログイン」をクリックし、「キャンペーン」を作成します。
キャンペーンの作成
ログイン後、トップページから『+ 新しいキャンペーンの作成』をクリックします。
キャンペーンの目標設定
『TrueViewアクション広告』では、獲得したいコンバージョンによって
広告料金や広告の配信され方が変わるので「販売促進」、「見込み客の獲得」、
「ウェブサイトへのトラフィック」などの広告施策の目標(目的)から最も近いものを選択します。
キャンペーンタイプ(広告形式)の指定
キャンペーンタイプの画面では「動画」を選択し、画面下の「続行」をクリックします。
入札戦略・広告予算の指定
入札戦略を「目標コンバージョン単価」、「コンバージョン数の最大化」のいずれかから指定します。
こちらの画面で広告配信の日予算と配信日時を指定します。
広告ネットワークの指定
「ネットワーク」の横のフォームをクリックすると、動画広告の配信先が表示されます。
「You Tube動画」がデフォルトとなっており、こちらを選択しましょう。
配信エリアと言語
ここでは、動画広告の配信エリアとそのターゲットの言語を選択します。
「地域」「言語」は国単位での設定になります。
You Tubeは、全世界の膨大なユーザーに利用されているため、
「日本語」を利用するユーザーへ配信されるように設定しましょう。
広告キャンペーン名を設定する
次に動画広告を管理するための「グループ名」を設定します。
複数のキャンペーンを管理するための名前を設定しましょう。
ユーザー属性の指定
この項目では、動画広告を配信するターゲットをセグメントを設定し、
効率よく相性のいい見込み客を獲得しやすくします。
ここでは、「性別」、「年齢」、「子供の有無」、「世帯収入」といった
大項目からユーザーのターゲティングを設定できます。
配信したいターゲット属性のチェックボックスにチェックを入れましょう。
カスタムインデントオーディエンスの設定
ここでは、「カスタムインデントオーディエンス」による
ターゲティングでユーザーの検索項目から関連づけたターゲティングを設定できます。
入力フォームをクリックすると、新しい画面が表示されます。
メニュータグから「閲覧」を選択し、「新しいカスタムインデントオーディエンス」をクリックします。
表示された新しい画面に「オーディエンス名」を入力し、
ターゲットユーザーが利用すると思われるキーワード、URL、アプリ、YouTubeのコンテンツを入力します。
ここで過去の配信データが蓄積されていれば、
画面右側にキーワード候補が表示されるので、必要に応じて選択してください。
ここで入力する関連項目は、多すぎても少なすぎてもダメで、
目安として15項目前後を入力するのが理想です。
最後に画面左下の「作成」をクリックすれば、カスタムインデントオーディエンスの設定が完了します。
動画のタグづけ
この項目では、動画広告を表示させやすくするために関連性の高いワードを設定したり、
コンテンツのトピック(傾向:ビジネス、スポーツ、ゲームなど)を設定できます。
動画広告(見出し、行動を促すフレーズなど)の設定
動画広告で表示するリンクや行動を促すフレーズを設定します。
最後に「キャンペーンの作成」をクリックすれば、動画広告の配信準備に移行します。
動画の配信にあたり、Googleの広告審査があり、承認された動画がYou Tubeなどで配信されます。
動画広告が配信されているかについては、管理画面の数値が変化しているか、細めに確認しましょう。
TrueViewアクションの広告成果を判断する指標とその目安
ここでは、TrueViewアクション広告のパフォーマンスを測る指標として用いられている
「CPA」や「CPM」、「CTR」などの指標と数値的な目安について解説させて頂きます。
CPA / Cost Per Action
コンバージョン1件の獲得にかかった広告費を指します。
広告費に対してどの程度の顧客単価で見込み客を獲得できたかを示す指標として利用され、
広告費用に対するコンバージョン件数が多くなれば、費用をかけずに見込み客を獲得していると判断できます。
CPM / Cost Per Mille
動画の表示回数 1,000回毎に発生する広告費を指します。
自動入札によって広告料金が変動します。
基本的には、同じターゲティングで動画広告を配信する競合が多いほどCPMも高くなりやすいです。
CTR / Click Through Rate
動画広告へのクリック率を示す指標です。
ターゲティングと動画の内容により変動する指標で、
ターゲットのアクションを引き出すことができた動画であれば、その値も高まります。
CPC / Cost Per Click
1クリックあたりの獲得コストになります。
1クリック=1件のアクセスのため、CPCが低いほど広告効果が高い動画であると判断できます。
また、『CPM』で入札した広告出稿であっても、
1クリックにどれくらいの広告費が必要であったかを確認すると精度の高い広告運用ができます。
これらの指標の目安の以下のようになります。
・CPM:500~2,500円
・CTR:0.25~2.7%
・CPC:数十~1,000円未満
※CPAは商材・サービスにより大きく異なります。
まとめ
TruewViewアクションは、コンバージョンを目的としてYouTubeに動画広告を配信するには
最適な広告フォーマットのひとつです。
カスタムインテントオーディエンスを活用するとホットユーザーに対して動画広告を配信できるため、
更にコンバージョンが期待できます。
広告を運用する上での目安なども記載させていただきましたので、実際の運用にお役立てください。