YouTuber 広告とは、YouTube内に動画をアップしているYouTuberに依頼して、
自社の商品をPRしてもらい、コアファン層である登録チャネルをしている視聴者と
レコメンドや検索から来た視聴者に対して商品の認知度向上だけでなく、
態度変容を起こさせる広告になります。
第5世代移動通信システム(5G)の普及や、YouTubeをはじめとした
動画専門プラットフォームの拡充によって動画広告市場は急速に拡大しています。
さらにYouTuberと呼ばれるYouTubeに動画を投稿する個人や組織が増加し、
チャンネル登録者数百万人超えのトップユーチューバーともなると億万長者への夢が広がります。
小学生のなりたい職業ランキングでも常に上位をキープしているYouTuber。
今回はそんなYouTuberに焦点を当てて、
広告を依頼した場合の広告効果や、広告料の目安を解説します。
YouTuber広告とは?
YouTuber広告とは、その名の通り、世界最大級の動画プラットフォーム「YouTube」を利用して、
YouTuberに自社商材の掲載をお願いすることです。
YouTubeの月間利用者数は、2019年1月時点で、6,200万人と言われており、
18〜19歳の利用率は、80%以上と特に若い世代からの支持を集めています。
10代の利用者が圧倒的なYouTubeではありますが、50歳〜59歳の約7割も利用しており、
今や様々な動画チャンネルが普及したことから、幅広い世代にリーチできます。
またジャンルごとに特化したYouTuberに商材を宣言してもらうことで幅広い集客効果が期待できます。
YouTuber広告の効果とメリット
全世界で10億人が利用する巨大動画プラットフォームであるYouTubeは、
購買意欲が比較的低いとされる若者からも多くの支持を集めています。
その影響力の高さから、YouTuberと企業がタイアップして
商品やサービスの使い心地を紹介する広告形態も珍しいものではなくなってきました。
ここでは、企業とYouTuberがタイアップすることで
生まれる広告効果とメリットについて具体的にご紹介します。
購買意欲が低いとされる10代に幅広くリーチ
引用元:エビリー、2017年YouTuberタイアップ動画起用社数ランキング発表
(CA Young Lab調べ)|株式会社エビリー
https://eviry.com/20180307/
上記は、YouTubeデータを活用した動画マーケティング支援ツールを提供している
株式会社エビリーが2018年に発表した10〜30代の世代別にYouTube動画視聴における
商品購入との関連を調査した統計になります。
これによると、全体の50%以上が
「YouTuberが紹介していた商品を参考にすることがある」と答えています。
非正規雇用の増加や低賃金等の影響によって、比較的購買意欲が低いと言われる若者世代ですが、
上記からもご覧頂けるとおり、過半数の若者がYouTuberの影響を受けています。
若者世代にフィットした商品やサービスを提供しているなら、
間違いなくYouTuberとのタイアップは選択肢の1つに入るでしょう。
商品・サービスの認知度アップ
企業がYouTuberとタイアップすることで商品やサービスの認知度アップも期待できます。
たとえば、チャンネル登録者数百万超えのトップユーチューバーともなれば、
広告宣伝効果が非常に大きく、ユーザーが全く知らない商品や
サービスであっても認知度が飛躍的にアップします。
少し前のデータになりますが、YouTuber専門のマネジメントプロダクションである
UUUM株式会社が2015年にYouTube視聴ユーザーの男女1,137人に対して
「タイアップ動画の態度変容効果」に関するアンケート調査を行いました。
この調査は2016年に発表されたものですが、
これによると企業とYouTuberがタイアップしたことによって、
商材に対する認知度が最大で「65.7%上昇」したそうです。
それだけでなく、商材に対する購買意欲が最大で「49.1%上昇」。
リリースしたばかりの商材で、十分に認知拡大が図れていない場合には、
非常に有効な施策だということがわかります。
参考元:YouTuberを活用したタイアップ動画の態度変容効果を検証|UUUM株式会社
https://www.uuum.co.jp/2016/01/13/3721
商材の使用感をリアルに伝え購買意欲が向上
企業とYouTuberがタイアップすることで、
商材の認知度拡大のほかにも使用感をリアルに伝えられるというメリットもございます。
さきほどもご紹介した通り、UUUM株式会社のアンケート調査によると、
YouTuberとタイアップしたことにより商材への
購買意欲が最大で49.1%も上昇したというデータがあります。
実際にYouTuberが商材を使用することで、商材の魅力だけでなく、
商材がどのようなユーザー向きなのか、
利用することのメリット・デメリットに至るまで詳細にユーザーに伝えることが可能です。
これによりユーザーは商材を購入した場合の活用イメージが膨らみ、
より一層購買意欲が高まる可能性があります。
実際の使用感をリアルに伝えられるのは、YouTubeならではでしょう。
精度の高いターゲティングも可能
YouTuberといっても今や様々なジャンルに特化したチャンネルが存在します。
美容・コスメ系やエンタメ、アウトドア、旅行、カメラ等それぞれを得意とした
YouTuberにタイアップを依頼すれば、さらに商材の魅力を引き出してくれますし、
商材のデメリットまで詳細に伝えてくれます。
また、そのジャンルを得意とする特化型のYouTuberのファンも、
そのジャンルに強い興味関心があるユーザーのため、商材をピンポイントに訴求できます。
依頼するYouTuberの得意とするジャンルを見極めて、
精度の高いターゲティングを実施しましょう。
拡散力がある
さきほどご紹介した株式会社エビリーによるタイアップ動画の調査によると、
YouTuberが紹介していた商品を購入して友達に勧めた事があると答えた割合は、
10〜30代全体の27.5%。
若者の中には、購入した商材を近しい人にシェアする方も多いですし、
YouTubeにはTwitter等のSNSに拡散するシェアボタンもついているため、
YouTuberとのタイアップは非常に拡散力があるといえます。
一度、拡散された動画は話題を集め、新規顧客獲得にも大いに貢献してくれるでしょう。
参考元:エビリー、2017年YouTuberタイアップ動画起用社数ランキング発表
(CA Young Lab調べ)|株式会社エビリー
https://eviry.com/20180307/
広告掲載期間が長い
テレビCMなどに広告を掲載する場合、掲載期間が決まっており
期間が終了するとユーザーが広告を目にすることもありません。
しかし、YouTuberとのタイアップ動画なら掲載期間が決められておらず、
YouTuber側が動画を削除しない限りは、YouTube内に半永久的に残り続けます。
過去に公開された動画であっても、YouTubeの関連動画欄に掲載されれば、
再び反響を生む可能性もあり、持続的に集客を行えます。
タイアップ動画なら広告色が薄く訴求しやすい
タイアップ動画ならではの特性かもしれませんが、広告を全面に押し出すのではなく、
YouTuberが実際に商材を使用した感想やメリット、デメリットを
企画として伝えるので、広告色が薄くなります。
これにより「広告だから、なんか嫌」とユーザーに敬遠されるリスクが少なく、
より自然体に商材を訴求できます。
その結果、商材の本来の良さを動画から伝えられますよね。
YouTuberに広告を依頼する時の料金の目安
ここまではYouTuberに広告を依頼しタイアップする場合の効果やメリットについてご紹介しました。
ここからは、YouTuberに広告を依頼する場合の料金の目安についてお届けします。
YouTuber広告料金の目安
YouTuberに広告を依頼する場合には、
それぞれのYouTuberが所属している事務所がある場合には、
広告代理店、事務所に問い合わせるのが通常です。
所属する事務所の有無によっても、料金や費用は変動しますが、
料金プランの指標として「登録チャンネルの人数」「平均視聴回数」があります。
「登録チャネル人数」、「平均視聴回数」によって変わりますが、
松竹梅で考えると以下のようになります。
登録チャンネル数 | 平均視聴回数 | |
松:300~450万円 | 25万登録者 ~100万弱 | 50~60万回 |
竹:100~300万円 | 20万登録者 ~ 40万弱 | 10~40万回 |
梅:~100万円 | ~ 20万弱 | ~10万回 |
トップユーチューバーともなれば、チャンネル登録者数700〜900万人ですので、
依頼料金が1,000万円を超えていきます。
タイアップを依頼するには、決して安い金額ではありませんが、
ここまでのチャンネル登録者数でなくても、
ユーザーから支持を集めているチャンネルであれば、十分集客効果を得られます。
自社商材との相性を確認した上で、ぴったりのYouTuberを選ぶことが重要。
さまざまな得意分野のYouTuberがいる
YouTuberといってもジャンルは様々ですので、企業によっては現金報酬ではなく、
チャンネル登録者数が1〜10万人ほどのYouTuberであれば、
商材の無償提供を報酬としてカウントするケースも増えてきました。
「商材を無償で送るから、PRして下さいね」といった具合です。
このような場合なら、トップユーチューバーでなくても、
自社商材を効果的にPRでき、認知度アップや購買意欲の向上に繋がるだけでなく、
動画がYouTuberによって削除されなければ、半永久的に商材の魅力を発信した動画が残ります。
トップユーチューバーに依頼する予算はないけれど、
比較的人気の複数チャンネルから集客したい場合にも使える方法です。
YouTuber広告の事例
ここでは、商材のジャンルが異なるYouTube広告の事例についていくつかご紹介させて頂きます。
カズチャンネル「ショップジャパン・カラーラ」
ガジェット系のレビュー動画に定評のあるカズチャンネル。
チャンネル登録者数は、2020年7月現在で181万人にもおよびます。
普段からガジェット系のレビュー動画を提供しているカズさんが、
ノンオイルフライヤー「カラーラ」をレビュー。
実際にカラーラを使用しながら、商品の使い方や使ってみて良かったところ、
改善して欲しいところを詳しくレビューしています。
YouTuberの中には、企業から提供された商品だからと、
良いところだけを紹介するチャンネルも存在しますが、
カズさんは包み隠さずデメリットも紹介することで、
ユーザーが購入の際の参考になるよう動画作りをされています。
Fisher’s-フィッシャーズ-「ソフトバンク・動画SNS放題」
Fisher’s-フィッシャーズは、
チャンネル登録者数630万人を誇る国内トップユーチューバーです。(2020年7月現在)
こちらの動画では、ソフトバンクとコラボし動画SNS放題をPRする企画となっております。
普段から大胆で派手な企画を発信しているFisher’s-フィッシャーズではありますが、
こちらの動画でも「リミッターをはずせ」というテーマに沿って非常に派手な演出がされており、
420万回を超える視聴回数を獲得(2020年7月時点)
また5万回を超える「いいね」が押されており、多くの宣伝効果が想定できますよね。
nanakoななこ「コスメのクチコミ検索アプリ・LIPS」
現役女子大生のななこさんが運営するチャンネル「nanakoななこ」は、
2020年7月現在でチャンネル登録者104万人に。
YouTubeチャンネルを開設したのが2017年11月と比較的最近なのですが、
わずか3年ほどで100万人越えと急成長しているチャンネルです。
ななこさんは、UUUM株式会社に所属しており、
女子大生という立場からメイクやコスメ情報、
化粧グッズなどを紹介している美容系YouTuberになります。
岐阜県訛りの飾らないスタイルに定評があり、
動画開始たったの5ヶ月で登録者数10万人に到達。
こちらの動画では、ななこさんがコスメのクチコミ検索アプリ「LIPS」とコラボし、
アプリの操作方法や、実際にコスメを検索してメイクをする様子を公開しています。
10代女性でも参考になるメイク動画に仕上げており、丁寧な解説が魅力。
再生回数は、現時点で120万回を超えています。
まとめ
10〜30代を中心にYouTuberが紹介した商材を購入するケースが増えており、
それに伴い、YouTuberにタイアップ動画を依頼する企業も増加傾向にあります。
また、利用者層は40代~60代まで広がってきております。
しかし、このようなタイアップ動画が急成長しているからと言って、
人気YouTuberを起用すれば良いというわけではありません。
タイアップ動画から集客効果を高めるには、
自社商材のジャンルにマッチしたYouTuberの選定や、
チャンネル登録者数、料金や費用面をどのようにするのか等を検討して
ベストなYouTuberを選ぶ必要がございます。
YouTuberに広告掲載を検討している場合には、これらを考慮した上で、
集客効果の高いタイアップ動画を実現させましょう。