動画広告を活用して集客するとなれば、外すことができない市場のひとつがYouTubeになります。
YouTubeは日本国内で国民の半分以上にあたる6,200万人以上利用している巨大な動画プラットフォームになり、
ここで効率よく集客するにはターゲティングをしっかり行わないと結果がでません。
今回、YouTubeにて広告展開をするときに
必要なターゲティングに関する考え方とどのような項目で設定できるのかについて解説します。
YouTube広告で効果的にターゲティングするコツ
YouTube広告において、高い広告効果の獲得を狙うにはしっかりとターゲティングを絞り込む必要がございます。
そのための考え方は以下になります。
ターゲティングの考え方について / DUAL AISAS
YouTube広告では、YouTubeのユーザー属性と広告出稿する商品・サービスと
相性のいいユーザーの近似解を考慮するだけでなく、
広告動画を視聴したユーザーのどのようなアクションを促すかも考えた広告戦略を設定する必要があります。
ここでは、はじめにインターネットやSNSの普及を前提とした行動モデル『AISAS』について解説させて頂きます。
このモデルは消費者の購買行動を5つのプロセスで体系化しており、以下の内容から構成されています。
・『AISAS』における行動プロセス
A | Attention | 認知・注意 |
I | Interest | 興味・関心 |
S | Swarch | 検索 |
A | Action | 行動 |
S | Share | 共有 |
しかし、このモデルは「A:認知・注意喚起」を
テレビCMなどのマス広告の影響力が高かった2004年に提唱されたモデルであるため、
スマホの普及やテレビび視聴率低下が進んだ現代では、
より深い考察を加えた『DUAL AISAS』による購買行動の分析が一般的になっています。
縦軸のみで体系化されていた『AISAS』と異なり、
『DUAL AISAS』では縦軸と横軸の二軸の変化を考慮してプロセスで構成されています。
『広めたいAISAS(横軸)』と『買いたいAISAS(縦軸)』の2つで構成されており、
『広めたいAISAS(横軸)』が新しく追加されています。
『広めたいAISAS』はSNSなどを通じて情報やコンテンツが拡散されていくプロセスをモデル化したもので、
ループしない構造であることを示すために『A+ISAS』と表記されることもあります。
『広めたいAISAS』は、商品そのものの特徴をプロモーションするのではなく、
ユニークなキャンペーンやコンテンツを提供することで、
それらの面白さに共感したユーザーが情報を拡散し、コミュニケーションを行うといった特徴があります。
広告配信する場合は、予め『Dual AISAS』の
どの層にいる人にアプローチしたいかを考えて戦略を立案するとよいでしょう。
具体的なターゲット像を想定する
効果的なターゲティングを行うためのコツの1つに、
『具体的なターゲットを設定する』といったポイントがあります。
配信した広告に、ユーザーのペルソナと合致する点が多ければ、
広告を『自分ごと』と捉えてもらいやすくなり、広告視聴後のアクションを期待できるようになります。
一方で、「広げすぎるターゲット」へ広告を配信すれば、
見当違いのユーザーへ広告が配信されることがあります。
例えば、「20代後半~30代の女性」に「夫婦で楽しむ旅行の案内」といった広告を配信してしまうと
無駄な広告を配信することになります。
理由としては、「20代後半~30代の女性」といった項目でターゲティングをすれば、
未婚女性にも広告が配信され、商材と相性のよくないユーザーにも広告が配信されてしまうためです。
このようなことを回避するために、はじめに配信したい『ターゲット像(ペルソナ)』を想定し、
そのターゲットにどのような訴求であれば効果的であるか、
ネガティブな解釈を回避できているかを検証しつつ、
広告を配信するユーザーをターゲティングすることで効率の良い広告配信が実施できるようになります。
先述した例であれば、広告配信のターゲットを「30代~40代の女性」に
「既婚」追加してターゲティングをすることをおすすめします。
次に説明させて頂きますが、YouTube広告ではさまざまな項目でターゲティングをすることができます。
YouTube ターゲティング項目
YouTubeでは、広告を配信する『人』のターゲティングと
広告を掲載する『場所』のターゲティングといった2パターンのターゲティングができます。
これらを図表でまとめると以下のようになります。
人に対するターゲティング
はじめに「年齢」「性別」「職業」といったターゲティングはなく、
ユーザーの「興味関心」や「過去の行動」にフォーカスしたターゲティングについて解説させて頂きます。
アフィニティカテゴリ
「スポーツ」「ライフスタイル」「旅行」といったユーザーの高い関心があるトピックを選択し、
ターゲティングすることができます。
カスタムアフィニティカテゴリ
特定のトピックでユーザーの興味関心を表すキーワードやURL、アプリ、
場所を指定し、ターゲティング項目を組み合わせられます。
購買意欲の高いオーディエンス
「不動産」「教育」「美容商品・サービス」といったカテゴリを選択し、
特定の項目に関心が高いユーザーへ広告を配信することができます。
カスタムインデントオーディエンス
ターゲットとなるユーザーを指定し、設定したキーワードと関連性の高いユーザーへ広告を配信、
動画広告のパフォーマンスを高めることができます。
過去の広告配信から十分なデータが蓄積されていれば、
設定したキーワードと関連性の高いキーワードをGoogleからの提案してもらうこともできます。
類似ユーザー
「〇〇のページを訪問したユーザーと類似するユーザー」
「過去にコンバージョンしたユーザーに類似するユーザー」といったターゲティングを設定することで、
特定の項目へ関心が高いユーザーリストを設定することができます。
リマーケティング
ユーザーのアクセス履歴や検索の履歴など、ユーザーが閲覧したデータを解析し、
解析結果を元にユーザーへ広告を配信します。
ユーザーリストを一定数蓄積することで
過去に興味を示したモチベーションの高いユーザーへ広告を配信できます。
同じ広告を何度も配信してしまうと、ユーザーにストレスを与えてしまうため、
「フリークエンシーキャップ」を利用し、同じ広告を1人の人に何回表示させるのか設定するようにしましょう。
『場所』のターゲティング
YouTubeで配信している動画広告を特定のコンテンツに広告を配信することができます。
広告で喚起されたユーザーのアクションと広告が
リーチしたユーザーの規模を図表化すると以下のようになります。
プレースメント
広告を配信の設定をするときに『コンテンツ』で設定したキーワードとメインテーマが一致すると、
広告の配信先が決まる仕組みを指します。
コンテンツキーワード
『プレースメント』で設定したキーワードなどの内容と合致すれば、
広告の掲載候補となるYouTubeページが選定され広告が表示されます。
トピック
予め設定しているトピックに一致したメインテーマの動画ページに広告が掲載されます。
ユーザー属性を指定する
上記のターゲティング項目とは別にYouTubeでは、「性別」「年齢」「子供の有無」
「教育」「住宅所有状況」といったユーザーの属性にフォーカスしたターゲティングも可能です。
広告出稿する商材・サービスと相性のいいユーザーの特徴と
YouTube上の動画コンテンツを視聴しているユーザーの特徴、
これらの近しい特徴をもつターゲットへ広告が配信されるので高い広告効果を期待できます。
YouTube 広告の設定方法と種類
ここでは、YouTube広告の配信方法やターゲティング設定方法について解説させて頂きます。
広告配信前の事前準備
YouTubeでの動画広告の配信にあたっては、以下の3つを準備する必要があります。
・広告素材(動画広告やリンク先の外部ページがなど)
・Googleアカウント
・YouTubeチャンネル
『Googleアカウント』や『YouTubeチャンネル』の開設方法については、
それぞれのリンクを参照頂ければと思います。
これらを設定することでYouTubeに広告を配信できるようになります。
動画広告の配信方法と設定について
YouTube動画広告を配信するには、次の手順を踏んで広告を配信しなければなりません。
1)動画広告のアップロード
2)動画広告の入稿/キャンペーンの作成
3)広告キャンペーン/グループの設定
動画広告を配信するには、「広告のアップロード」→「広告入稿」→
「広告キャンペーン/グループの設定」といった手順で広告を配信する必要があります。
これらの具体的な操作や広告配信の設定については、
『TrueViewインストリーム広告とは?その特徴 課金条件に関する視聴の定義、ターゲティングを解説』より
解説させて頂いておりますので、上記のリンク先を参照頂ければと思います。
まとめ
YouTubeに広告を配信して成果をあげるためにはターゲティングが非常に重要な要素のひとつになります。
人の属性、関心・行動から導き出すターゲティングと
広告を表示する場所から考えるターゲティングを組み合わせて、
狙いたいターゲットに対して広告を展開すれば、高い成果を見込めます。
今回の記事がYouTube広告でターゲティングを考える参考になれば幸いです。